夫とわたし、それから娘の3人で福島県のいわき市に引っ越したのは2016年春。
転勤による引っ越しです。
正直ね、最初は幼い娘と一緒についていっていいものかどうか悩みました。
やっぱり気になるのは放射能のこと。
転勤が決まってから地図で見ると、福島第一原発のある場所から思ったよりも近いことにショックを受けました。
そこからいろいろ情報を集めてみたけれど。
なにが本当のことなのか、判断できないんですよね。
不安をかかえながらも、家族みんなで一緒に暮らしたいという選択をして今に至ります。
いわきに来てみてわかったのは、同じような思いで暮らしている人がいるということ。
さまざまな思いをかかえながらもたくさんの家族が子育てをしているということ。
そして、福島で暮らす子ども達や家族を支えてくれる人達がいるということでした。
わたしが普段どんなことに気を使って生活しているのか、子ども達を支えてくれる支援活動ってどんなものがあるのかを紹介します。
不安に思っているママやパパのお役に立てたら嬉しいな。[/st-kaiwa1]
福島県で子どもを育てるのに気をつけていること
たいそうなタイトルつけましたが、まあ至って普通に生活しています。
外遊びもするし、洗濯物も外に干すし、近所のスーパーで買い物もします。
神経質になって親も子どももストレスためちゃうよりは、やりたいことやって笑って暮らした方が絶対いいもの。
その中でちょっとだけ気をつけていること、書いていきますね。
食べ物について
福島県でとれた農産物や海産物で市場に出回っている食品は、全て残留放射能が国で決められた基準以下かどうか検査されています。
だから、スーパーや市場で買えるものは「安全な食べものである」とされたもの。
なので普通に買い物しています。
それにプラスして、パルシステムの食品もよく買いますね。
パルシステムは独自の基準値(国のものよりも厳しい)を決めて、その検査に通ったものを買うことができるから。
あと、玄関まで届けてくれるのでお米とか重いもの買うのに便利だし。
【関連記事】
>>「意外な物が割引に!パルシステムが子供のいる家族にぴったりな3つの理由」を読む
大事なのはどこで収穫されたかよりも、その食品に放射性物質が含まれていないかどうか。
福島県産だから買わないというのはちょっと違うな、と思っています。
ただねー、「庭でとれた」とか「裏山で収穫した」といったいただきものは申し訳ないけれど気持ちだけいただくことにしています。
(測定室に持っていけば数値を測ってもらうこともできますが、少量の場合は…ね)
飲み水について
水道に浄水器をつけて、飲んでいます。
水道水の検査の数値は問題ないからね。
浄水器をつけているのは、塩素を抜くためですね。
ウォーターサーバーも考えたんだけど、費用や手間のことを考えた結果、水道水に浄水器をつけるという選択をしました。
外遊びについて
普通に公園で遊ばせています。
砂もいじるし、石もひろう。花も摘む。バッタもつかまえる。
子ども時代にこういう体験封じられたら、いったいいつやるのよ!?
福島県内の公園や、幼稚園の園庭などには空間放射線測定器が設けられているので、目にするたびに「ここはそういう土地だったな」とは思いますけどね。
ただ、公園で遊んでいる子供の数は少ないです。
引っ越して来る前は近所の公園に行けば誰かしら遊んでいたものだけど、いわきでは誰もいなくてぽつんと遊ぶみたいなことがよくあったな。
対策なのか、もともとの地域柄なのかわからないけどね。
大きな公園に行けばそれなりに遊んでいる子どもがいるので、幼稚園に通う前はよく車で大きめの公園に行っていました。
外遊びは普通にするけれど、海ではあまり遊ばないようにしています。
空気や土壌の放射性物質が最終的に行きつくところが海だというのを学んだからですね。
いくら土壌を洗浄したって消えてなくなるわけじゃない。
例えば放射性セシウムの半減期(放射能が半分に減少するまでの時間)は30年。
土壌はきれいになっても場所がうつっただけで、減少するには時間がかかります。
福島で暮らす子どもや家族を支えてくれる活動
いわきに来てしばらくしてから知った「保養」という言葉。
保養とは、放射能の影響が少ない地域に一定期間滞在することで、免疫力を大きく高めて健康を守ること。
自然体験の機会を奪われた子ども達が屋外でのびのびと遊んだり、大人たちが同じ立場の人々と交流や情報交換することで心理面での負担軽減をはかること。
ほよ〜ん相談会HPより抜粋
つまり、安全性の高い土地で過ごすことで子ども達の健康を守ろうという活動です。
調べるとね、ほんとうにたくさんの団体がこういった活動をしてくれているんですよ!
福島に来るまで全然知らなかった。
変な言い方だけれど、わたしはいわきに来たからこそ、こういう活動をしてくれている団体があるということを知ることができてよかったなと思っています。
友達に教えてもらって、娘と一緒に何回か保養に参加しました。
1番お世話になったのが、沖縄の久米島で保養活動をしている「球美の里」ですね。
毎月約50人の子どもと保護者を受け入れてくれています。
沖縄の海でたくさん遊んだり、泥染めやったり、おいしいご飯をいただいたりと、貴重な体験をたくさんさせてもらいました。
記事の1番上にのせた写真は久米島の海です♪[/st-kaiwa1]
保養の内容は球美の里のブログで発信されているので、興味のある方は見てみてくださいね。
>>球美の里保養日記
球美の里の保養プログラムの1つに、甲状腺検診があります。
もちろんわたしも娘も受けさせてもらいました。
今ね、この甲状腺検診の機器購入のためのクラウドファンディングが立ち上がっています。
使っていた機器が老朽化で使えなくなってしまったとのこと。
クラウドファンディングというのは、応援してくれる人を募って資金調達をすることです。
応援したいな、という気持ちを持ったらぜひ行動にうつしてみてください。
募集期間は2018年3月12日(月)の23時までです。
>>沖縄保養プログラムに参加する福島の子どもたちに甲状腺検査を。
わたしも、微力ながら恩返ししたいなと思って人生初のクラウドファンディング支援をしてみました!
家族で福島で暮らしていくということまとめ
もともと福島で暮らしている人もいるし、わたしのように他の土地からやってきた人もいる。
立場も違えば考え方や感じ方も人それぞれなので、放射能の問題はとってもデリケートなものです。
いわきに住んでいても、あまりオープンに話せなかったりもしますね。
ここに書いたことは、あくまでもわたし個人の考え方。
震災後に福島県に家族で越して来た人間が考えていることです。
いろいろな考え方があると思うけれど、誰もが1度は不安に思ったことがあるはず。
同じように不安に思っているママやパパの力になれたらいいな。
最後に、球美の里で出会った素敵な言葉を紹介しますね。
「どんな判断をしたとしても、あなたが考えて決めたことは間違っていない。もしも後で違っていたなと思ったなら、そこからまた別の方向に歩き出せばよい」
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