台風は時期や進路の予測がつくものなので、対策が立てやすい災害だと思います。
ただ、いざ台風が来ると言ってもどんな備えをしたらいいのかイマイチわからない方も多いのでは?
実はわたしもそうでした。
実際に台風の被害で10日間の断水を経験してわかった、
・備えておいたほうがいいと感じたこと
・断水するとわかったらやること
をシェアします。
幼稚園児の子どもがいる、3人家族での体験です。
体験してみないとわからなかったこと、結構ありました。
台風の備え・基本編
台風の被害で断水してみて必要だと感じた基本的な備えベスト3です。
- 防災マップで自宅や職場を確認しておく
- 早めに避難する
- 物資、ガソリン、現金の用意
断水だけじゃなく、浸水や停電に対する対策にもなる基本中の基本ですね。
防災マップで自宅や職場を確認しておく
「避難しましょう」と言われても、自分の家がどんな被害を受けやすい土地なのかを知らないとピンとこないものです。
必ず防災マップ(ハザードマップ)で自分や家族がよくいる場所の特徴を知っておきましょう。
例えばわたしが住んでいる福島県いわき市には、
- 防災マップ
- 河川洪水ハザードマップ
- 浸水ハザードマップ
- 津波ハザードマップ
- 農業用ため池ハザードマップ
といった防災マップやハザードマップがあります。
川や崖の近くじゃないからといって安心するのはまだ早いっ!
川が氾濫しなくても、大雨の時には排水処理が追いつかなくて浸水するエリアがあるって知ってます??
[st-kaiwa4]わたしは全く想像してなかった![/st-kaiwa4]
あなたが知らないだけで、もしかしたらそこは危険のある土地かもしれません。
防災マップは市の施設などで手に入りますし、ネットでも見られます。
特に転勤で引っ越しした時などは、土地勘が全くないので必ず防災マップに目を通して!
早めに避難する
「早めの避難を!」とはさんざん言われていることだけど、本当にそうだなと思いました。
- 命と車を守れる
- 避難所にたどり着けなくなるリスクを回避できる
- 避難所が満員で断られるリスクを回避できる
- 避難所で過ごしやすい居場所を確保できる
命(一番大事です!)と車を守ることができます。
車を守ることも大事なんです。
なぜって、断水や浸水被害に遭った場合、車があるのとないのとでは生活に雲泥の差がでます。
車社会なら特に!!!
重たい水を給水所から運ぶのも、たくさんの洗濯物を持ってコインランドリーに行くのも、水の出ている地域までお風呂に入りに行くのも、車が無くては無理でした。
自分の家は2階以上だからって安心していませんか?
避難はいざとなったらでいいかな、と思っていませんか?
わが家は台風の当日に近くの避難所に避難したものの、その決断はかなり遅かった。
運よく空いている避難所に避難できたからよかったけれど、
- 満員で避難所をたらい回しにされた
- 避難所への道路が冠水していてたどり着けなかった
- 避難しようと外へ出たものの、車ごと水に浸かってしまい慌てて引き返した
こんな話を聞き、自分も紙一重だったなと感じました。
物資、ガソリン、現金の用意
最後の基本の備えは備蓄です。
- ウォータータンク
- ミネラルウォーター
- レトルト食品
- 紙皿、紙コップ、割りばし、使い捨てスプーン、ラップ
- ウエットティッシュ
- ガソリンは満タンにしておく
- 現金(千円札、硬貨で準備)
最低でもこれくらい備えておけばよいでしょう。
断水になるとわかってからお店に買いにいっても、みんな同じことを考えるので在庫切れの可能性が高いです。
被害が大きければお店の営業自体やっていないし、しばらく商品の入荷もないでしょう。
交通が麻痺した状態では、遠方の親戚や友達に送ってもらっても、ネットで購入しても届きません。
ウォータータンク 20リットルを4つ
断水になると市内のあちこちに給水所が設置されますが、水をいれる容器がないと水を運べません。
バケツやペットボトル、お鍋などを持ってきて給水している方も見ましたが、それくらいの量のお水で生活していくのは厳しいです。
なんせ、トイレ一回流すのに約10リットル水を使いますからね。
ウォータータンクやポリタンクが必要です。
普段は折りたたんで収納できて、コックが付いているウォータータンクが便利です。
大きさは20リットルが使いやすい。
女性でも水を貯めた状態で運べて、ある程度の水の量が入ります。
頻繁に水を汲みに行くのも大変なので、4つくらいあると余裕を持って生活できると思います。
20リットルの容器が4つあれば80リットルの水を運べます。
節水しながら使って、3人家族で2日は過ごせるかなといった量です。
ミネラルウォーター 一箱(2リットル×6本)
ミネラルウォーターは飲み水にもなるし、カップラーメンなどの調理もできます。
断水前に溜めたお水があればそれを飲むこともできるけど、水道水の汲み置きが飲めるのは2~3日が限度。
それ以上たった水は飲料には適さないので、長期保存のきくミネラルウォーターは必須。
家族の人数にもよるけれど、最低でも一箱(2リットル×6本)は備蓄しておきましょう。
水は真っ先に支援される物資のひとつですが、災害が起こった直後はすぐに手に入らないと考えた方がいいです。
支援物資が届くまでに数日かかる場合もあるし、一瞬でお店からもなくなります。
「水分をとる」という目的だけなら、麦茶などでもいいと思います。
レトルト食品 最低3日分
レトルト食品も災害が起こった後はかなり品薄になります。
万が一停電がある場合にも備えて、
- 常温で置いておけるもの
- 温めなくても食べられるもの
- 湯煎で温めて食べられるもの
- お湯を注ぐだけで食べられるもの
を中心に用意しておきましょう。
具体的には、
- パン(常温で数日もつもの)
- スープやみそ汁(お湯を注ぐだけ)
- ご飯(熱湯調理、電子レンジ調理どちらもできるもの)
- カレー(あたためなくても食べられるもの)
- カップラーメン(お湯を注ぐだけ)
- アルファ化米(お湯、水のどちらかを注ぐだけ)
- 缶詰(サバの味噌煮などそのまま食べられるもの)
こういったものが便利です。
断水が長期化するとレトルト食品に飽きてくるので、
・ふりかけや海苔などで味を変える
・スープやカップラーメンなどはいろんな種類を揃えておく
などすると、少し気がまぎれますね。
停電にならなければ、冷凍食品も大活躍します。
どうしても野菜不足になるので、野菜たっぷり系のものがありがたかったです。
紙皿、紙コップ、割りばし、使い捨てスプーン、ラップ 一週間分
食事をするための食器類も洗うことができないので、使い捨てのものが重宝します。
一週間分(1日3食×7日分×家族の人数)あれば安心です。
紙皿は、平べったいものよりもボウル型の方が使い勝手がいいです。
汁物も入るし、カレーなどにも使いやすい!
割りばしと一緒に用意しておきたいのがスプーン。
やはり汁物やカレーなど、意外と使う機会が多かった。
紙皿の代わりになるのが、ラップですね。
お皿にラップを敷いて食事をすれば、ラップを捨てるだけで食器を洗う必要がなくなります。
ウエットティッシュ
断水すると手が洗えないので、ウエットティッシュが大活躍します。
しっかり除菌タイプのものと、手や口が拭ける優しいタイプのものがあると便利です。
ガソリン 満タンに!
台風が来る前に、ガソリンは満タンにしておきましょう。
避難所までたどり着けなかったり、避難所がいっぱいだった時、高台の安全な場所で車中泊するかもしれません。
暖房や冷房を使うと、ガソリンの減りは早いです。
無事に台風が去っても、浸水や断水などすると生活を維持していくために車は欠かせないです。
現金(千円札、小銭で用意) 5,000円分
断水生活をしてみて、細かいお金ってけっこう使うなと思いました。
特に、コインランドリーやスーパー銭湯でそう思いましたね。
まだキャッシュレス対応していないところが多く、両替機があっても千円札のみ対応のものが多かったです。
5,000円分くらいを細かい現金で準備しておくと安心だな、と感じます。
台風の備え・上級編
必須ではないけれどやっておくとさらに良い、台風への備えはこちら。
- 浄水場の場所を知っておく
- 子どもの一時預かり施設を調べておく
- 近所の入浴施設やコインランドリーを把握しておく
浄水場の場所を知っておく
自宅の水がどこから来ているのか、知ってますか?
台風で自分の家に被害がなくても、浄水場が被害にあうと断水が長期化する恐れがあります。
今回わたしが経験したのがまさにこういう状態!
台風による河川氾濫で福島県いわき市の平窪(ひらくぼ)という地域が広い範囲で浸水したんです。
そのことは知っていたけれど、まさかその場所に浄水場があるとは知らなかった。
台風の翌日に、運よく友達から「断水になるよ」と教えてもらって備えることができたけど、それがなければ水が止まってから気づいたはず。
浸水したエリアに浄水場があるって知っていれば、自分で予測を持って行動できたと思います。
子どもの一時預かり施設を調べておく
浸水や断水被害があると、保育園、幼稚園、小学校はお休みになります。
今回の台風は、3連休(土・日・月)の初日にきたんですね。
その週はまるまる一週間、市内の保育園、幼稚園、小学校は休みになりました。
翌週の月曜日は半日授業、それ以降は弁当や水筒など持参で、断水中でも再開したところが多かったです。
娘の行っている私立幼稚園では、生活用水4リットルを持参しての自由登園でした。
こうなると困ってしまうのが、共働き家庭なんです。
断水してたってほとんどの会社は営業しますから。
親は仕事に行かなきゃならないけど、子どもは休みになるんです。
これ以上は休めない、と言っていた友達もいました。
万一に備えて、どんな一時預かり施設があるのかだけでも知っておくといいです。
近所の入浴施設やコインランドリーを把握しておく
広域的な断水や停電になると、近所の入浴施設やコインランドリーも営業できなくはなります。
が、全く知らないよりはある程度存在や場所を知っておくと助けになりますよ。
いざ探そうと思ってもうまく見つけられなかったり、みんなに知られているところは混雑必須。
市内や隣の市あたりまで、どんな入浴施設があるか知っているといいです。
ホテルや旅館などで日帰り入浴をしているところもあるので、普段から楽しみのひとつとして利用しておくのをおすすめしますね。
値段や使い勝手のよさ、タオル付きかどうかなど、一回行ったことのあるところは安心して利用できます。
コインランドリーは大通りにあるものはものすごく混みます。
ちょっと道一本入ったところにあるコインランドリーがねらい目でした。
断水するってわかったらやること
これから断水するってわかった時にやることをまとめておきます。
- 溜められるだけ水を溜める
- ポリタンク、紙皿、水、食料などの確保
- ご飯を炊く、洗濯をする
溜められるだけ水を溜める
とにかくできる限りの水を溜めておきましょう。
お風呂の浴槽、バケツ、鍋などを使います。
容器が足りなければ、未使用のゴミ袋に水を入れて口を縛っておくだけでも大丈夫。
浴槽いっぱいに水を溜めても、3人家族で1週間持つかどうか…といった感じなんです。
トイレ一回流すのに約10リットル水を使うの!
家族の人数が多ければ多いほど、必要な水の量は増えます。
断水が長期化すればどこかで給水には行かなきゃいけないけれど、最初にたくさんの水を溜められていると精神的にラクです。
ポリタンク、紙皿、水、食料などの確保
備蓄していなければ、必要な物資の確保をしましょう。
台風前に備蓄する家庭が多いので、店に買いに行っても在庫がない可能性が高いです。
ネットショッピングできるなら、迷わずさくっと注文して!
恥ずかしながら、わが家はウォータータンクや紙皿などは全く用意していなかったんですね。
断水する!ってわかった直後にAmazonで注文しました。
その後はAmazonでも売り切れになっていたので、早めに注文して本当によかった。
住んでいる地域は物流が動いていたので、3日後に商品が届きました。
福島県は通常は注文して2日後には届くので、やはり少しは配達に遅れがあったけれど助かりましたね。
市内では、ほとんどの店舗でポリタンクやミネラルウォーターなどは売り切れ。
早い店舗では台風が去った翌日の夕方にミネラルウォーター入荷していましたが、あっという間に売り切れていました。
Twitterでその情報を知り、たまたま近くにいたのですぐ買いにいったのだけど、あと5分遅かったら買えてなかったです。
台風が去って4~5日経っても水やウォータータンクは入荷するとすぐに売れてしまうという状況が続いていました。
ご飯を炊く、洗濯をする
これは余裕があれば、やっておくと後がラク。
ご飯は炊けるだけ炊いて、一食分ごとラップに包んで冷凍しておきます。
食べる時は、チンしてラップのままお茶碗に乗せれば洗い物も出ません。
洗濯もやっておくと、コインランドリーに行く回数が減らせます。
まとめ
台風に備えてやっておくことは、
1.防災マップで家がどんな災害を受けそうかを知っておく
2.早めに避難する
3.物資、ガソリン、現金を用意しておく
ですね。
物資の用意やガソリンはみなさんすぐに思いつくと思います。
実は、それよりも先に被害を予測して避難の意識を高めることの方が大事かも。
いくら物資を備蓄しておいたって、命が危険になったり、移動手段を失ってしまってはその後の生活が厳しくなってしまいますから。
わが家は転勤族なので数年ごとに住む場所が変わります。
引っ越しの度に、防災マップを手に入れるところから備えをしていきたいと思います。
コメント